今回は2月8日に4巻が発売される桜井のりおさんの『僕の心のヤバイやつ』2・3巻考察記事です!
以前『僕の心のヤバイやつ』の紹介記事で1巻の考察を少し書いたのですが、僕ヤバの世界をより深く知っていただけたらなと思い今回は2・3巻も記事にすることにしました!
考察記事となっていますが作品を読んでの私の感想の方が割合は多くなっていますし、今回ご紹介するのはあくまで私の個人的な考察ですのでご注意ください。
また記事の中でどうしてもネタバレ要素を含んでしまうため、まだ全部読んでいないという人のために考察するのは各巻の数話についてだけにしようと思います。
以上についてご理解の上読んでいただけたらと思います!
『僕の心のヤバイやつ』2巻
山田への恋心に戸惑う京太郎…。そんな京太郎の気持ちを知ってか知らずか、天真爛漫に山田は近づいて来る!! 遠いようでちょっと近い…2人の関係に少しずつ変化が!?
1巻では市川の心の変化がメインになっていたのに対し、2巻では山田の市川への気持ちの変化がよく描かれているなと感じました。
ファーストフード店での遭遇や職業見学などのイベントを通して山田が市川に対して持っていた興味、友人としての好意が恋心へと近づいていったのが読み取れます。
2巻で取り上げるのはkarte.24「僕は選ばれない」です。
職業見学編の最初の話で、職業見学に行く6人グループを作るという内容です。メインになるのは原さんと神崎くんが付き合いそうなのを知っている山田と市川が、2人が同じグループになるようにあれこれ奮闘する姿。
最終的に市川の「知的レベルに合わせたメンバーにすべき」という発言で成績のいい神崎くんと太田くんが原さんのグループに、アホの足立と化学40点(嘘)の市川が山田のグループになりました。
注目したいのは市川が化学40点だと嘘をついたこと。知的レベルに合わせるべきという発言自体は神崎くんを原さんのグループに入れるためのものですが、この嘘は市川の山田と一緒のグループになりたいという気持ちが出た嘘です。
またこれは山田に嘘だとバレていたのですが、どうしてバレたのかわかっていません。図書室での会話でバレたのか、机の中のテスト用紙を見たのかはわかりませんが、山田がそれだけ市川のことを意識し見ているということがわかります。
そして山田が市川を見ているように市川も山田を見ていることがわかる描写があります。
職業見学編最後のkarte.27「僕らははぐれた」で市川以外のメンバーとはぐれてしまった山田が泣いてしまうのですが、そんな山田に市川はミルクティを買ってあげます。
市川がミルクティを選んだのはおそらくkarte.25で山田がコンビニでミルクティを買いたいと一度だけ言っていたのを覚えていたからで、そのことに気づいた山田は赤面し顔を隠します。
職業見学編は2人の距離が近づき、お互いが意識しあっていることがよくわかる話でした。意識されていることに山田のほうが敏感なのもかわいらしいですね。
『僕の心のヤバイやつ』3巻
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈と、重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。接するはずのなかった2つの世界の間にほのかに芽生えた恋心は、2人の日常をゆっくり包み込み、新しい世界へと彩っていく。教室、図書室、そして…家。かけがえのない時間が増えていく中、大きな転機が訪れる?
3巻はビックイベントの連続です。LINEの交換、持久走、3者面談などなど2人の距離が近づいていくイベントに加え、市川の抱える不安にも焦点が当てられています。
この巻の1番のポイントはやはり市川の不安が描かれるkarte.42と43なのですが、これはぜひみなさん自身で読んでいろいろなことを感じてほしいのでここでは深く言及しません。
取り上げるのはkarte.39「僕は夢を見た」。伝説のお見舞い回です。
前話で雨に濡れ風邪をひいてしまった市川に山田がお見舞いに訪れます。しかし市川は着替えの途中で倒れてしまい、山田が意識が朦朧としている市川の着替えを行います。
この話では市川の意識が途切れるのと同時に場面が変わるので、山田が実際に市川を着替えさせた場面は描写されていません。しかしそれまでの流れと場面が変わる前後で市川のパジャマが変わっているので山田が着替えを行ったことがわかります(ズボンも変わっているので公開当時は「山田は下も替えたのか!」と話題になりました)。
karte.39はおまけ漫画と合わせて山田の優しさを読み取ることができるのがひとつのポイントです。
山田がお見舞いの品として持ってきたのはその日の給食で出されたイチゴババロアでした。しかも余ったものではなく山田が食べるのを我慢して持ってきたものです。甘いものが大好きな山田が食べるのを我慢するというのは普通だったらあり得ないことで(実際山田は親友の小林から体調でも悪いんじゃないかと思われていました)、これだけで山田が市川のことをどれだけ大切に思っているのかわかります。
また山田はお見舞いの帰りに市川の母と会い、市川の風邪が重いものではないと聞くと安心して涙を流します。倒れていた市川の姿を見たため余計に心配になってしまったのでしょう。こうしたところからも山田の市川への想いの強さ、優しさが読み取れます。
こうした山田の優しさはこれまで周りとの接触を避けてきた市川にとって嬉しく、大事なものです。しかし市川の中で山田の存在が大きくなればなるほど市川の不安は大きくなっていきます。
それが形となり現れるのが先ほど挙げたkarte42と43。市川や山田がどのような転機を迎えるのか、ぜひみなさんの目で確かめていただけたらと思います。
3巻の最終話は2学期終業式の日。山田は渡すはずだった漫画「君色オクターブ」の続きを忘れてしまったため明日会えないかと市川を誘います。
遠慮しようとする市川に山田は「3巻すごい引きで終わってたでしょ? 続き…ヤバいんだよ!?」と言うのですが、僕ヤバ3巻の最終話でこのセリフを出すのは最高だなぁという感じです(笑)。
そんなこんなで終業式の翌日会うことになった山田と市川。終業式は12月23日。そう、つまり4巻はクリスマスデート回になります!
2人のクリスマスデートというだけでワクワクが止まりませんが、お正月編などもマンガクロスで読んでおもしろかったので楽しみです。
みなさんもぜひ2月8日発売の4巻楽しんでください! 3巻の続き…ヤバいんだよ!?