先日から東京オリンピックが開幕しましたが、さまざまな競技、選手に熱狂し応援している人も多いと思います。
今回はそんなスポーツを楽しんでいる人にはぜひ読んでほしい柔道漫画『もういっぽん!』の紹介です!
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『もういっぽん!』は『むねあつ』や『ウチコミ!!』などの柔道漫画を手掛けてきた村岡ユウさんの作品です。
柔道、高校スポーツのおもしろさがギューッと詰まった漫画なので、ぜひ多くの人に興味を持ってもらえたらと思います!
あらすじと見どころの紹介
柔道をやめたい女の子の話① pic.twitter.com/piM5QAnFFz
— もういっぽん! 担当編集U田 (@ipponagain) February 8, 2019
中学最後の大会で結果を残せず、柔道をやめるつもりだった、園田未知。でも、親友の早苗や、最後の対戦相手だった永遠に誘われて、高校でも続けることになり…?
一緒、だから楽しい。わたしたちの青春柔道ライフ、はじまる!
『もういっぽん!』は女子柔道部の爽やかな青春を描いた漫画です。
スポーツ漫画ではよく才能のある選手たちが勝つことを目標に成長する姿が描かれますが、『もういっぽん!』では主人公・園田未知をはじめ登場する多くのキャラクターは決して才能に恵まれているわけではありません。
しかし、そんな彼女たちが「一本を取ったときの気持ちよさ」を忘れられず練習に打ち込む姿、勝つことだけではなく大切な友達と部活を楽しみ、喜びを共有し合う姿はどこまでも等身大の女子柔道部員を描いていて、これがこの漫画の一番の魅力だと思います。
そんなこの作品の魅力を支えているのが主人公の園田未知。
あらすじにある通り、彼女は中学最後の試合で結果を残せず柔道は中学で引退しよう考えていました。しかし青葉西高に進みそこで中学最後の試合で敗れた氷浦永遠と再会し「一本を取ったときの気持ちよさ」を思い出し、友達の滝川早苗の言葉にも後押しされてもう一度柔道に取り組んでいきます。
引用:村岡ユウ『もういっぽん!』1巻第1話
彼女は裏表のない天真爛漫な性格で良くも悪くも空気が読めません。いい試合をして負けてしまった後には悔しいという気持ちもあるけれど、それ以上に楽しかったという感情を全身で表現するタイプのキャラクターです。
そんな彼女の純真さは時に友人の悩みを吹き飛ばし、時に仲間を勇気づけてくれます。どんな時でも楽しさを忘れない自分のスタイルを貫く未知だからこそ仲間も彼女を信頼し、一緒に戦うことができるのです。
また、彼女自身も仲間や敗戦から多くを学び、柔道をあきらめかけた中学時代から少しずつ成長し強くなっていく、そしてそのことに喜びを感じる姿にも読んでいて思わず共感してしまいます。
もちろん未知以外のキャラクター全員にそれぞれ魅力が詰まっています。
中学で未知と一緒に柔道に取り組み、周囲に気を配ることのできる責任感の鬼こと滝川早苗。引っ込み思案だけど道着を着ると勇気の出る青葉西高のエース・氷浦永遠。未知をしつこく剣道部に誘う南雲安奈(彼女についてはこのあと詳しく書きます)。
他校の柔道部の選手たちにもライバル関係や先輩後輩などさまざまな柔道をする背景、感情が描かれているので、読んでいて全員の勝利を応援したくなるスポーツのおもしろさが凝縮されています。
村岡ユウさんの表現も巧みで、動きのわかりやすい試合の描写は初心者でも楽しめますし、見開きを使った表現や映画のフィルムのようなコマ割りで描かれる表情の変化から未知たちの感情がスッと理解できるのもこの漫画のすごいところ。
ぜひ皆さんもお気に入りの試合や印象に残った話を見つけてみてください!
ピックアップ・キャラクター
これ以降ネタバレ要素があるので、紹介だけで作品を楽しみたい人は注意してください!
『もういっぽん!』には魅力的なキャラクターが本当に多いのですが、今回はその中から南雲安奈を紹介したいと思います。
引用:村岡ユウ『もういっぽん!』1巻第2話
自分のことを神童と呼ぶ彼女は運動神経抜群。少しツンデレ気味で幼馴染の未知を何度も剣道部に誘っています。
ネタバレをしてしまうとそうした剣道部への勧誘は南雲の未知と一緒に部活をしたい、一緒の場所で頑張りたいという気持ちの表れでもあります。しかし今まで打ち込んできたことを辞めて新しい世界に飛び込むことへの葛藤や周囲の期待などから柔道部へ行きたいとは言えない。だから未知を剣道部にしつこく勧誘してしまうのです。
さらにネタバレをしてしまうと南雲は最終的に柔道部に転部します。その大きな決断をするまでの南雲の葛藤や未知をはじめとする友達たちの言葉はこの漫画だからこそ表現できるものです。ぜひ皆さんにはそうした南雲の心情の揺れ動きやかけがえのない友情を楽しんでほしいと思います。
また、南雲は未知・早苗・永遠とは異なり高校から柔道に取り組み始めるキャラクターです。
持ち前の運動神経の良さから飲み込みは早いものの、周囲との実力の差から生まれる焦りや自分だけ試合に出られない悔しさに直面することもあります。
柔道を始めたばかりだからこそ南雲が得る壁や感情はこの作品をより奥深くおもしろくするとともに、これからどんな成長を見せてくれるのか私たちをワクワクさせるものでもあります。
『もういっぽん!』を読む際にはぜひ彼女の成長からも目を離さず、応援してあげてほしいです!
以上、『もういっぽん!』の紹介でした!
アニメ化も決定し、コミックスは7月8月の2か月連続刊行と勢いの止まらない柔道漫画をぜひ皆さんに楽しんでもらえたらと思います!