今回は龍幸伸さんの『ダンダダン』の紹介と1巻の感想です!
以前「次にくるマンガ大賞2021」ノミネート作品からおすすめの紹介【Webマンガ編】という記事で『ダンダダン』を紹介させていただいたのですが、先日発表さえた「次にくるマンガ大賞2021」最終結果で『ダンダダン』は見事2位に選ばれました!
そんな今大人気のこの作品を改めて紹介するとともに、1巻の感想や考察をしていきたいと思います。
ぜひこの記事を通して多くの方に『ダンダダン』のおもしろさを知っていただけたら幸いです!
あらすじと見どころの紹介
本日8月4日にダンダダン1巻が発売です!よろしくお願いします! (1/16) pic.twitter.com/4J1OPAe0zZ
— 龍幸伸 (@TatuYukinobu) August 3, 2021
幽霊を信じないオカルトマニアの少年・高倉と、宇宙人を信じない少女・綾瀬は、互いの理解を超越した圧倒的怪奇に出会う——…!オカルティック青春物語!!
『ダンダダン』は俳優・高倉健のような硬派な男が好きなギャル・綾瀬桃とオカルトオタクでいじめられっ子の少年・オカルン(あだ名)の2人が主人公。
以下は第1話のざっくりとしたあらすじです。
オカルンがいじめを受けているところを綾瀬が助けることで2人は出会うのですが、幽霊は信じても宇宙人は信じない綾瀬と宇宙人は信じても幽霊は信じないオカルンはいきなり言い争いをしてしまいます。
その結果、オカルンは幽霊を否定するために幽霊が出るトンネルへ、綾瀬は宇宙人を否定するためにUFOを呼べると噂の廃病院へ向かうことに。
トンネルを訪れたオカルンはそこに現れたターボババアに呪いをかけられてしまいます。一方で綾瀬もセルポ星人に連れ去られてしまい絶体絶命のピンチ。しかし綾瀬が襲われそうになったところに呪いの力で化け物に変身したオカルンがUFOに乗り込んできます。
オカルンはターボババアの力を使って綾瀬を救おうとしますが、うまくコントロールできずセルポ星人に抑え込まれて再びピンチに。しかし今度は綾瀬の祖母譲りの超能力の才能が覚醒し、セルポ星人を撃退します。
何とか生き延びた綾瀬とオカルンですが、オカルンのターボババアの呪いは消えず、綾瀬が超能力で常に呪いを抑え込まなければなりません。
そして明かされた高倉健というオカルンの本名と「自分不器用なんで…」という言葉に綾瀬の心は揺れ動きます。
以上が第1話の簡単なあらすじになります。
第1話だけでもオカルト・バトル・青春・ラブコメと内容がてんこ盛りなのですが、『ダンダダン』は全編通してこのてんこ盛り感が続きます。
引用:『ダンダダン』第1巻第1話より
それなのに『ダンダダン』が胃もたれせず、読んだ後にどこか爽快感があるのは龍幸伸さんの描く手に汗握る戦闘シーン、目まぐるしく動く戦況がスピーディーに表現され、コメディとシリアスな場面のメリハリがはっきりとしているからだと思います。
ストーリー自体もおもしろく、飽きることのない展開の連続なので皆さんも1巻を読み終わったら早く続きが読みたいと思ってしまうのではないでしょうか。
『ダンダダン』1巻の感想
ここからは少し細かく感想を書いていこうと思います。
オカルトを使ったバトル
『ダンダダン』で私が一番好きなのは何といってもオカルトの部分です。
『ダンダダン』1巻には多くのオカルトが登場しますが、完全オリジナルのものではなく実際に存在が噂される宇宙人や都市伝説に手を加える形で登場します。それぞれを紹介すると
・セルポ星人
おそらくアメリカのプロジェクト・セルポという都市伝説が元。作中でセルポ星人は惑星セルポから来たと言っていますが、プロジェクト・セルポは地球人を惑星セルポに交換留学させるという計画をいいます。セルポ星人が雄しかおらず性器を欲しがっている、念力を使うというのはオリジナルの設定だと思われます。
・フラッドウッズモンスター
作中で語られる通り日本では「3メートルの宇宙人」と呼ばれる宇宙人。アメリカで目撃されたときには刺激臭のある霧が出ていたと言われており、『ダンダダン』ではそれがより毒性の強い霧として表現されています。力士要素はオリジナル?(もしかしたら元ネタがあるかもしれません)
・ターボババア
ターボばあちゃんや100キロ婆、ジェットババアなどさまざな名前で語られる都市伝説。全国に噂は存在し、他にもおじいちゃんが走るもの、赤ちゃんが走るものなど類話がたくさんあります。「トンネルにいる」「かけっこで負けると呪われる」という話も実際に噂されたことがあるようです。「イチモツを奪う」というのはおそらくオリジナル。
・地縛霊
何かしらの理由でその土地に縛られている霊のこと。呪怨シリーズの伽椰子、『妖怪ウォッチ』のジバニャンが日本では有名な地縛霊だと思います。そ『ダンダダン』に登場する地縛霊の本格的な活躍は2巻からですが、どんな姿を見せてくれるのか楽しみです。
どれもオカルト好きからすると作品に登場するだけでうれしいのですが、そうした宇宙人、都市伝説にオカルンたちがどのように挑んでいくのかというのも考えるだけでワクワクします。
また龍幸伸さんの高い画力によって妖怪のおどろおどろしさ、宇宙人のコスミックな雰囲気も良く表現されているので、2巻以降どんなオカルトたちがどう表現されて登場するのかにも注目です。
素直になれないラブコメディ
1巻から少しずつ動き始めているラブコメもポイントです。
恋愛観が高倉健に特化している綾瀬と、自己肯定感が低いけどここぞでは行動することができるオカルン。
素直になり切れないところがある2人が、どのような会話ややり取りを通して仲を深めていくのか思わずドキドキしてしまいます。
引用:『ダンダダン』第1巻第2話より
特に綾瀬の心の動きには注目したいです。
最初の綾瀬のときめきはオカルンの本名とセリフを聞いた時でした。しかしそれまでも、そしてその後も「自分をいじめから守ってくれた綾瀬を今度は自分が守りたい」と必死に動くオカルンの姿は、綾瀬の心を惹きつける魅力であふれていると思います。
名前とセリフという外側の部分に揺れ動いた綾瀬の心が、オカルンの内面や芯の通った人間性に触れどのように変化していくのか、2巻以降の展開が待ちきれません。
ネッシーの力とは何なのか
『ダンダダン』1巻で登場したキャラクターの中では綾瀬のお婆ちゃんも印象に残った人が多いのではないでしょうか。
霊媒師であり、人魚の肉でも食べてるんじゃないかと思うほど若くてパワフルなお婆ちゃん。
現在登場しているキャラクターの中では妖怪や幽霊に対抗するための知識を持つ唯一の人物なので、今後も大活躍を期待してしまいます。
引用:『ダンダダン』第1巻第3話
しかし個人的にその若さよりも気になったのは彼女が持っていたバット型の武器です。
「ネッシーの力」という文字が刻まれ、先端からは鉛筆が飛び出してくるその武器は、結界を張ることもできるしターボババアに支配されたオカルンをぶん殴ることもできるハチャメチャな武器。
そして何よりネッシーの力とは何なのか、ネッシーの力をどう手に入れたのかと興味が尽きないので、いつか作品の中で謎が明かされてほしいです(笑)。
また今後のお婆ちゃんの活躍ではさらに摩訶不思議でツッコミどころの多いアイテムが登場すると思うので、ぜひそうしたところにも注目して作品を楽しんでもらえればと思います!
以上『ダンダダン』の紹介と1巻の感想でした!
オカルト・バトル・ラブコメの全てが楽しめる素晴らしい作品なので、興味を持ってくださった方はぜひ手に取ってみてください!